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​小さなミラクル通信

守秘義務尊重のため内容は著者の経験に基づいた創作です

  • 執筆者の写真王丸典子

札幌の空気


三十数年ぶりに札幌に行きました。

飛行場に降り立つと、まず心を打つのは新鮮な空気とゆったりとした風景。そしてどこまでも澄んでいる空の色です。

以前訪ねた時にも思いましたが、北海道の空気には名状しがたい儚さ、あるいは懐かしさが含まれているように感じます。これは北国特有のものでしょうか。

今回の北海道行きは、思いがけないことでした。

子供の頃よく一緒に遊んだ、私より一歳年上の従妹が突然亡くなったのです。


お葬式は家族だけの密葬だったので、私は真駒内滝野霊園で行われた納骨式に参加しました。


以前テレビ番組でも紹介されたことがあるこの霊園は、広大な敷地に建築家の安藤忠雄さんがプロデュースされたものです。

園内の随所から有名な頭大仏を眺めることができます。ラベンダーの時期には少し早かったですが、霊園とは思えない景色にすっかり感嘆しました。

この美しい霊園を観光目的で訪れる外国人観光客も多いとか。

従妹が亡くなったのは悲しいことでした。特に残された二人の娘達の悲しみはいかばかりかと思います。

しかし従妹より早く逝った愛する家族と共に納骨され、今は永遠の冥福を得たのではないかと感じます。そう思うと、どこまでも澄み切った札幌の空気のなかで、少し心安らぐ気持ちになりました。




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