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​小さなミラクル通信

守秘義務尊重のため内容は著者の経験に基づいた創作です

  • 執筆者の写真王丸典子

ラベンダー色の夕焼け



ラベンダー色に染まる夕焼けを、ご覧になったことありますか。


私は一度だけ見たことがあります。他にも経験していたのかもしれませんが、はっきりと覚えているのはこの時だけ、今から20年ほど前のことです。

当時私は心理セラピストになるためにサンディエゴ市にある大学院に通っていて、同時に様々なカウンセリングセンターで、インターンとして働いていました。

その日はサンディエゴ郡の北のはずれ、カールスバッド市にあるボーイズ&ガールズクラブというところで子供たちにカウンセリングをした帰りでした。



このクラブは子供たちが放課後に勉強したり、遊んだりする場所を提供しています。

そして問題行動のあるような子供たちに対し、私達心理学インターンがカウンセリングを行っていました。

そのような子供たちは、複雑な家庭環境の中で生活している子が多く、カウンセリングではなかなか苦労もありました。


しかし楽しい思い出もたくさん有って、"R"の発音ちがうよ!のブランドンと出会ったのもこのクラブでした。

カールスバッドの海岸線 このすぐ脇にインターステート5号線が走っています。


この日は家庭的に恵まれないスティーブンのカウンセリングをしましたが、終わってからもスティーブンの悲しそう顔が頭から離れません。


少し重い気持ちで、上の写真の海岸脇を通るインターステート5号線を南下、サンディエゴ市の家に向かい運転していました。


ぼんやりとスティーブンのことを考えていたその時です。ふと周りの情景に目をやると、なんと空だけでなくあたり全体がとても美しいラベンダー色に染まっているではありませんか。

あまりの美しさになんともいえない感動に包まれながら、これは「めげずに頑張れ」という天からのメッセージなのではないかと思ったことを覚えています。



あの頃カウンセリングをした子供たちは、今はみな20代後半です。どんな大人になったのか、出来ることならこっそり顔を見てみたいです。

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