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​小さなミラクル通信

守秘義務尊重のため内容は著者の経験に基づいた創作です

  • 執筆者の写真王丸典子

「ポツンと一軒家」をみて孤独を考える

更新日:2021年3月7日


「ポツンと一軒家」という番組を家族が毎週見ています。私はこの時間はお風呂タイムと決めていて、これまで進んで見たことはありませんでした。


しかし家族があまりにも楽しみにしている様子から、「山奥の一般人を訪ねる番組がなぜそんなにおもしろいのか」と、俄然興味が湧きました。


番組内容は単純で、人里離れた一軒家の住人がどのような生活をしているのか、番組スタッフが訪ねて話を聞くというものです。

山深い一軒家に住む人について、私のステレオタイプは「世捨て人のような変わり者」あるいは「偏屈な人」でした。


ところが番組を見てみると、このような私の固定観念はすっかり覆されてしまいました。


むろんテレビ番組ですから、出演を拒否した人や、テレビ局の人を追い払った人もいたのかもしれません。面白くするために演出している部分もあると思います。


でも、そんな視聴者の疑いをひっくり返すほど、紹介された山奥の人達が魅力的であるのに驚きました。人々が山の暮らしを受け入れて、とても心豊かに暮らしている様子が、画面から伝わってきます。何より総じて人々の表情が穏やかで、人間の幸せな生活とはこのようなことなのではないかと、つくづく考えさせられました。


寂しさは心の中にあり

私の予想に反して山深い一軒家に住む人達の表情は、少しも寂しそうではありません。それとは逆に、心理カウンセリングで「孤独感」を訴える人達は多くの人に囲まれて、日々忙しく暮らしている人も多いのです。

老いも若きも年齢に関係なく、寂しいという気持ちは人々を苦しめます。会社の要職にある人や、フェースブックの友達が500人を超える高校生でさえ、心を覆いつくす寂しさは耐えがたく、毎日の生活を脅かします。


「ポツンと一軒家」に登場する人達を見ても分かりますが、環境的なことは必ずしも「孤独」の原因ではありません。


孤独感を持ちながら生きるのは、現代医学では解決のできない体の痛みと共に暮らすのと似ています。私がかつて勤めていたサンディエゴ市の、シャープ病院痛みのクリニックでは、患者さんたちが「痛み」と一生上手く付き合っていけるように、様々なトレーニングを提供していました。

痛みと戦うのではなく、痛みと共存できるようになることを目指すのです。具体的には思考の矛先が「痛みに」集中しないよう、心を「あやす」あるいは「なだめる」すべを身に着けていきます。これがうまく出来るようになると、あたかも「痛み」そのものが和らいだように感じる人は少なくありません。

孤独はともに生きる術を学ぶと消える

「孤独感」と共に生きるのも、これと同じです。できるだけ「寂しい」という気持ちに覆われないよう、心をあやしたりなだめたりします。言うなれば「寂しい」という気持ちを横において、何か集中できることを行うのです。


赤ちゃんをあやすように自分の心をあやす

お母さんが赤ちゃんをあやす時を思い浮かべてください。


赤ちゃんがむづかる時、お母さんは抱っこしたり、話しかけたり、喜びそうなことをして、赤ちゃんの気持ちを落ち着けます。


むづかる赤ちゃんがあなたの心の中の孤独感です。あなたの心が喜びそうなことをしてみてください。初めのうちは効果がないかもしれません。


でも、あきらめずに続けていると、必ずスイッチが切り替わりますよ。するといつしか「寂しい」という心の痛みと自分との間に距離ができ、多くの人は寂しさが和らいだように感じる瞬間を経験します。


孤独の原因は環境ではなく、自分の心の中にあります。孤独感と付き合う方法をみつけてくださいね



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