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​小さなミラクル通信

守秘義務尊重のため内容は著者の経験に基づいた創作です

執筆者の写真王丸典子

時空を超えた?

更新日:2021年4月24日


マヤさんは時折とても #不思議な体験 をします。断っておきますがこの人は正直な人柄で、決して話をでっちあげるような人ではありません。しかし科学的説明は出来ませんので悪しからず。


アメリカに住んでいるマヤさんは、毎年故郷の福岡に里帰りします。そしてある年の里帰り時、幼馴染のみっちゃん、ヨッコと博多のショッピンングモールに出かけました。


ノンストップでおしゃべりしながらいろいろとお店を見て回っているうちに、小腹もすいてきたから何か食べようかということになりました。そして7階の名店レストランフロアーへ、3人はエスカレーターで上に登っていくことにしました。


ところが5階まで来たところで、ヨッコがどうしたわけか何も言わずふらっと下向きのエスカレーターに飛び乗り、降りて行ってしまいました。「どこ行くのよ、ヨッコ」というマヤさんの叫び声も全く聞こえないような後姿です。


きっとトイレにでも行ったんだろうと思い、マヤさんはみっちゃんと7階でヨッコ待つことにしました。7階レストランはいろいろあるのですが、中でも「博多ラーメン加門」がとても良さそうです。ここにしようよと、マヤさんはみっちゃんと二人で盛り上がりました。


ところがいくら待ってもヨッコが来ません。そこでみっちゃんと下の階に探しに行くと、やっと彼女が4階のトイレから出て来たところでした。そしてなんと絶対にラーメンはイヤだ、別のものが食べたいとヨッコは強く言い張ります。その気迫に押されて、マヤさんとみっちゃんは何だか釈然としないまま、モールの外にあるイタリアレストランで食事をすることにしました。


それから4日後、マヤさんはまた同じモールに行くことになりました。そして先日「博多ラーメン加門」に行き損ねたので、今日こそはと勇んで7階に上がっていきました。しかし7階に着いていくら探しても「加門」を見つけることが出来ないのです。


多分このあたりだったと思われる店がちょうど改装中だったので、隣のうどん屋さんでたずねると、「加門」は2か月前に閉店になり、先月から新しく出来る焼き肉店のために改装工事が行われていると言うんです。


マヤさんはうどん屋さんに4日前に「加門」を見たとも言えず、ただただ呆然とするばかりでした。そして今日は来ていなかったみっちゃんに電話で事の次第を伝えると、やはり腰を抜かすほど驚いていたそうです。


これはいったい何でしょうか?マヤさんとみっちゃんは時空を超えて一瞬過去にワープしたのでしょうか。ヨッコは直観的に #時空を超える旅 を避けるため、トイレに行ってしまったのでしょうか?


マヤさんからこの話を聞かされた私は、次々浮かぶ疑問に思いを馳せ、きっと宇宙のかなたを見つめるような目をしていたことでしょう。


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