• 王丸典子

あなたにも毒親化の可能性がある

最終更新: 2019年2月25日

あなたは #毒親 候補かもしれない。


こう聞くと、現在子育て奮闘中のお父さんお母さんは、「冗談じゃない!」と、憤然とされる方も多いことと思います。


毒親というと家庭内暴力だったり、#ネグレクト を連想します。しかし毒親とは必ずしもそんな人ばかりではありません。善意や心配から出た親の言葉であっても、時に子供の心に大きなインパクトを与え、その後子供の気持ちや行動にネガティブな変化をもたらす場合があるのです。


私の母は若い頃から持病がありました。しかし当時の医学ではそれが何であるのか、よく解明されていませんでした。母の発作が起こるたびに、当時7歳位だった私は、母が死んでしまうのではないかと、怖くて怖くていたたまれなかったのを覚えています。母に罪はないのに、恐怖の原因を作る母を、心の中で恨むような気持ちもありました。


そしてその頃、ある時父から「典子が時々言うこと聞かないから、お母さんは病気になるんだよ」といわれたのです。その時の父の口調は静かで諭すような響きでした。だからきっと私の心にズーンと刺さったのでしょう。


父は普段穏やかでとても優しい人でした。そして初めての子供である私を、小さい頃からとても可愛がってくれました。私は6歳で妹が生まれるまで一人っ子で、わがままを言うことはよくあったのでしょう。


私のわがままを何とか改善したい。また自分の妻が原因不明の病気で時々発作を起こすことからの不安。今考えると、このような理由から父は思わずあの言葉を放ったのだと思います。


しかし子供の私はただただ驚き「自分のすることで、人が死にそうになる!」と、いう恐怖の方程式が、私の思考回路にその時深く埋め込まれました。


積極的に父を恨むことや、母を非難した記憶はありません。しかし今考えると中学、高校時代の私は得体のしれない不安感から、しばしば不機嫌な子供でした。そしてその後成長して心理学の勉強をするまで、この得体のしれない不安感は常に私を脅かしました。


冷静に考えると子育てほど、長年に渡る忍耐と努力が必要なプロジェクトはないでしょう。しかもほとんどの親は、何の経験もないままこの難しいプロジェクトに放り込まれるのです。


仕事などで難しいプロジェクトに取り組むような場合は、事前の打ち合わせやトレーニングがあります。しかし子育てには、そのようなことは一切ない。そう思うと、子供が誕生した時に、親が精神的に子育ての準備の出来ているべきだと考えるほうが酷なのではないでしょうか。


カウンセリングを受けるほど深刻ではないけれど、常に心のどこかにかすかな不安を感じている人は多いと思います。そしてその不安感は、外からの刺激を受けた時ムクムクと大きくなり、時には抱えきれないほどの大きさで心を揺さぶります。


気持ちがグラグラする、自己肯定感が低い、決められない、ノーが言えない、立ち直りや気持ちの切り替えがなかなかできない。このような性質は育つ過程で身についたその人特有の考え方や行動の癖によるものです。


このような考え方感じ方の癖ができる大きな原因の一つが、親の育て方にありました。だからと言って、今更親を恨んでも事態は良くならないし、また子育て中のお父さんお母さんが「子供を傷つけるのでは」とびくびくする必要もないのです。


朗報は、身についた考え方感じ方の癖は、その気になれば少しずつ変化させることができるということ。


たとえて言うなら自分自身を育て直すような作業です。むずかる子供をあやしたり、なだめたりするように、自分の心と向き合うと次第に変化が出てきます。













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