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​小さなミラクル通信

守秘義務尊重のため内容は著者の経験に基づいた創作です

  • 執筆者の写真王丸典子

仰天!文化の違い2


ある時、東南アジアのある国に住んでいる一時帰国中の女性と面談しました。


女性の旦那さんは東南アジアの方で、その国ではよく知られた名家の出身だそうです。


親戚には大臣経験者や学者、医者などがいて、皆とても裕福な暮らしをしています。


結婚5年目だというその女性の表情は沈みがちで、悩みが深い様子です。


旦那さんの文化ではとんでもなく失礼な行為

半年ほど前までとても夫婦仲が良かったそうですが、あることを理由に旦那さんの態度が一変したのです。


「どのようなことが有ったのですか」と聞く私に、女性はとても言いにくそうに、消え入るような声で、


「実は私が主人の前でオ〇ラをしてしまったのです。その日は朝からお腹の調子が悪くて、トイレに飛んでいくのが間に合わず、うっかり大きな音で出てしまったのです。」


「オナラですか。旦那様はその時どのような態度だったのですか。」


「主人は飛び上がらんばかりに驚いて、人前でオナラをするなんて、なんという人非人だ。もしまたそんなことをしたら、離婚しなくてはならないからと言うのです。

人前でオナラをするような人間が、自分の一族にいるのが信じられないそうです。」


「まぁ、離婚とは厳しいですね。」


「どうやら、彼の国では人様の前で、それがたとえ家族でも、オナラをするのは相手を最も侮辱する行為らしいのです。」


「なるほど、最大の侮辱になってしまうのですね。」


「主人には何度も謝って、やっと許してもらったんですが、それ以来彼の私を見る目が変わってしまったのを感じるのです。」


心を込めてもう一度詫びる

話を聞くうちにこの女性は旦那さんをとても愛していて、何とか関係を修復したいと考えているのが伝わってきました。


旦那さんの国での生活は楽しく夢のようで、いつまでも続けていきたいのだそうです。


そこでどうしたら旦那さんに理解してもらえるかを、女性と話し合いましました。


そこから出てきた答えは、心を込めてもう一度旦那さんに詫びることでした。


人前でオナラをすることは、もちろん日本でも避けたい行為です。


しかし日本の場合はオナラをした本人が恥ずかしい思いをすることはあっても、周りの人が侮辱されたとはあまり思いません


文化の違いが、夫婦の関係に大きな影響を及ぼしていたのです。


文化の違いを説明する

オナラを最大の侮辱と取る旦那さんの文化と、それほど深刻に取らない日本の文化。


詫びるだけでなく、この二つの文化の違いを心を込めて説明する必要がありました。


愛する旦那さんの文化をないがしろにするつもりは全くないこと、でもきっと他にも知らないことがあるだろうから、長い目で見守ってほしいと伝えてみることにしました。


その面談からしばらくして、旦那さんのもとへ帰った女性からメールが届きました。


そこには、心を込めて詫び、文化の違いを説明した結果、旦那さんもやっと理解をしてくれたとありました。


結婚生活では、日本人同士でも時に難しい問題に直面することがあります。


そこに異文化の要素が入ると、問題はますます複雑化します。


国際結婚のカップルは、コミュニケーションを密にすることで、文化の壁を乗り越えることが必要です。






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