ジャズバンド探し ベルギー編


半世紀にわたりケイさんの生活は #サックス の演奏と共にありました。最初に #ジャズウィルス に感染し、サックスの演奏を始めたのは22歳のころです。そのころは特に先生についたこともなかったのですが、独学で徐々に演奏出来るようになっていきました。


サックス以外のケイさんの生活はいたって普通でした。大学を卒業しあるメーカーに就職、家庭も持ちました。同時に #ジャズ#アマチュアビッグバンド で定期的に演奏するようになりました。


そんなケイさんの生活に大きな転機がおとずれたのは、勤めるメーカーから #ベルギー 工場の立ち上げを命じられた時です。それは今から40年も前のことで、赴任してみると何と工場建設を命じられた場所は、飛んでもない片田舎の村でした。


その地で立ち上げを一心不乱に行う日々は、毎日飛ぶように過ぎていきました。まず工場建設用地探しや、建設会社の選定、工場設備を整えて従業員の採用と教育など。数えきれない程やることがあり、一日が48時間でも到底足りません。


仕事は無我夢中、新婚の妻は不慣れな外国で初めての妊娠中で、演奏出来ない一抹の寂しさを感じながらも、サックスどころではありませんでした。それでも時折心の中で、密かにジャズやれないかなと思い続けていました。


そんなある日その田舎町で車を運転していると、どこからともなくかすかにジャズ演奏が聞こえてきたのです。回りの風景はジャズとは程遠い、牛がモ~っと鳴くような景色です。

「えーっ‼ まさか‼‼」と思いながら音を頼りに近づいてみると、そこは鄙びた汚いパブでした。なんとそのパブにベルギー人のジャズ好きが毎週集まり、ビッグバンドの練習をしていたのです。


ほとんど言葉も通じませんでしたが、ケイさんは汗だくになりながら、身振り手振りで仲間に入れてほしいと嘆願すると、バンドメンバー達は日本人を見たのは生まれて初めてだと驚きながらも、快く仲間に入れてくれました。


そして練習初日、一曲目が偶然にも以前演奏したことのある、カウントベイシーのクインビーという曲でした。ケイさんはメンバーと一緒に音を出しながら、なんとも言えない一体感に全身包まれ、涙が出る程感動したのでした。


当時のヨーロッパの片田舎では、日本人が暮らしているのが余程珍しかったのでしょう。バンドの演奏会の日は地元の新聞社がケイさんを取材に来て、写真付き記事で紹介されました。


帰任までの約三年間そのバンドで演奏出来たことは、ケイさんにとって不慣れな外国生活によるストレス解消の大きな助けになると同時に人生の1ページを飾る思い出になりました。

音楽は国境や言葉を超えた素晴らしいコミュニケーション・ツールですね。


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