心理カウンセラーが自分のことを話す時


大学院で初めて #心理カウンセリング について習った時に、#心理カウンセラー は自分自身のことを話してはいけないと教えられました。カウンセリングの法律倫理を教えるその教官は、バリバリの白人女性サイコロジストであり、良くも悪くもルールに徹することをモットーにしている人でした。


そしてもしクライアントが私のことに興味を持って何か質問してきたら「それを知ることはあなたにどのようなベネフィットがあるのでしょう」と聞き返せと指導されました。そのころの私ははインターンカウンセラーとしても全然慣れていませんから、言われた通りそれを台詞のように言っていました。


すると大体のクライアントさんがちょっと失望したような表情を浮かべるのです。そしてそれに答える人は少なくて、だまってしまうか違う話題に移ることがほとんどでした。あるソマリア移民の女性などは怒ってしまい「私はあなたに自分のことをこんなに話してるのに、あなたはそんなことさえ話してくれない。信用出来ない」と叫びました。


その後カウンセリングの勉強が進み、毎年のように改定のある法律倫理クラスは繰り返し受ける必要がありました。そしてカリフォルニア州公認サイコロジスト試験の直前に受けたクラスでは、心理カウンセラーの接し方や受け答えもクライアントの文化的背景を考慮して行うように指示されました。つまりカウンセラーの個人的情報開示も、場合によっては役立つということです。


例えば上記のソマリア女性のように、心理カウンセラーとより人間らしい関係を望む文化背景の人達もいて、その場合はある程度カウンセラーの人間味を出す必要があるというのです。もちろんクライアントさんと友達付き合いのようなことは望ましくありませんが、節度を保ってカウンセラーの個人的な情報や経験を話すことは、必ずしもマイナスではありません。


そこで私はクライアントさんの文化背景や人となりを考慮して、次のようにしています。私が自分のことを話す時は、必ず何らかの形でクライアントさんの回復を助けることを心掛けます。その中には私と人間らしい関係を築くことにより、人を信用出来るようになったり、社会復帰の足掛かりになったり、物の見方に変化を持たせることなどを目指します。


ある時クライアントさんに、話の流れで家族との経験を話しました。すると「わぁ、話してくださってありがとうございます。なんだかこれでもっと人間同士の話が出来る気がします」と感想をのべ、その後カウンセリングをする上での絆が深まったように感じました。


その際忘れてはならないのは、カウンセリングはあくまでもクライアントのためであり、カウンセラーの愚痴や文句などは絶対に言ってはならないと思っています。

写真やイラストはグーグルイメージからお借りしています

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