嫌なのに母そっくり:ミラーニューロン大活躍
更新日:2018年2月9日
#心理カウンセリング で「母にだけは絶対に似たくない。それなのにそっくりなんです」と言う人がいます。そんなにイヤだと思いながらも似てしまうのは、いったいなぜなのでしょうか。
#ミラーニューロン は20世紀の終わりから今世紀の初頭の研究で発見された、#霊長類 などの高等動物に備わっている #神経細胞 です。それは他人が取る行動を見て我が事のように感じたり、同じ行動を取る能力を司っているのだそうです。その時にあたかも自分が相手と同じ行動を取っているかのような、まるで鏡のような反応をすると言うから驚きです。
上の写真のようにおサルは人が舌を出すのを見て(左)舌を出す行動パターン(右)を学びます
これを考えるとアルコール中毒症やDVの加害者の多くが、そのような環境で育ったという統計も納得します。前出のお母さんに似たくない人も、幼少期からお母さんの行動パターンを見て、ミラーニューロンが活発化して似てきたと考えられます。
ミラーニューロンには相手に共感するという能力もあります。子供のころは客観的に物事を考えませんから、今は全く共感できないような母親の行動を、イヤだとも思わぬうちに身についてしまったのでしょう。
でもここでがっかりする必要はありません。お母さんと似ている部分を矯正することは十分可能で、ここでもミラーニューロンが活躍するのです。一番良いのは #理想の人 を見つけて観察することです。直接会わなくてもビデオを通して、あるいは話し方をまねたい場合は録音されたものを繰り返し聞いても良いですね。
また何か技術を身に着けたい場合は、その道の達人の行動や所作を繰り返し見ることもお勧めします。ミラーニューロンには他者の意図を理解するという能力もあるので、たとえ達人がすべての所作を説明しなくても習得出来る可能性があります。
前出の女性は「えーっ、そんなこと言ってもこんな歳で手遅れじゃありませんか」と焦っておられます。最近の研究では神経細胞の一部、樹状突起(dendrite) はいくつになっても伸び続けると報告されています。
年齢別の理解力は若者よりも齢を重ねた人の方が深いという研究結果があり、それは樹状突起の成長によるところが大きいようです。
是非希望を持って #理想の姿 に近づいていきましょう。
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