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​小さなミラクル通信

守秘義務尊重のため内容は著者の経験に基づいた創作です

執筆者の写真王丸典子

トイレ戦争勃発!


心理カウンセリング を受ける人達の中に、自分の妻/夫はここが悪いから直して下さいと言う相談がよくあります。


この二人も カップルカウンセリング の場でお互い相手に変わってもらいたい点を並べ立て、私に何とかしてほしいと訴えていました。夫はギリシャ系のアメリカ人で、妻は日本生まれの日本人です。


ギリシャ系の夫は体つきもガッシリして、声も大きく威圧感があります。それに反して日本人妻はとても小柄で華奢な、いかにも大和撫子という風情の人でした。しかしたおやかな外見に反して妻もなかなか主張を曲げません。


それぞれがお互いの主張にことごとく反対し、双方とも一歩も譲りません。一つひとつの主張をすべて書いたらきりがありませんが、その中でもとても印象的で忘れられない双方の主張がありました。


どのように 折り合いをつける か学ぶ

妻「夫は子供みたいなところがあり、トイレを汚しても決して掃除しようとしないのです」


夫「自分は妻が言うほどトイレを汚していない。妻は何を言っているのか全くわからない」


妻「あの状態のトイレを汚いと思わないなんて、人として大分欠けたところがあると思う」


夫「俺はトイレ掃除よりもっと重要なことに時間を使っている。だからお前を養えるんだ」


妻「トイレをあんな状態にして出て来るなんて、用を足してお尻を拭かないのと同じよ」


夫「俺はなにがあっても絶対にトイレ掃除はしない」


妻「なんて人なの。人でなし!」


夫「お前が何と言おうと絶対にトイレの掃除はしない!!! トイレが汚いと思わないし、もしお前が汚いと思うなら、お前が掃除してくれ!!!!!」


この時点で二人とも大激怒

私「奥さん、もし旦那さんが トイレ掃除 を今後もしなかったら、あなたはどうしますか。随分腹を立てていらっしゃいますが、離婚 を考えますか?」


妻「エッ!離婚??いーえ、離婚なんか全然考えていません。ただ夫にトイレ掃除をしてほしいだけです」


私「旦那さん、あなたはトイレ掃除は絶対にしないんですね。(夫大きくうなずく)トイレ掃除のかわりに奥さんの喜ぶことで何かしてあげられることはありますか」


夫「ええ、私はコーヒーをいれるのが得意で、いれると妻はとても喜びます。あと妻はとても肩こりなので、よくマッサージをしてあげます」


私「奥さん、旦那さんは現時点では絶対にトイレ掃除はしないと断言しています。その代わり美味しいコーヒーを入れたりあなたにマッサージしたりすると言っていますが、どう思いますか」


妻「それは良いけど、トイレ掃除しないなんて人間としてどうなんでしょうね」


私「そうですね。ただ人によっては、旦那さんにコーヒーをいれさせたり、マッサージさせる奥さんは妻としてどうなんだという人もいるかもしれません。これは旦那さんとあなたが納得出来れば、旦那さんがトイレ掃除をしないのも、あなたがマッサージをしてもらうのも全く問題ないのではないのでしょうか」


この会話のあと二人の間の「トイレ戦争」は終結しました。しかしこれはほんの一例です。このカップルはその後も一つひとつの論争について、どのように歩み寄りことができるかを学び続けました。そして10か月後には二人だけで随分いろいろなことに対して歩み寄ることが出来るようになりました。


★どのように折り合いをつけるか学ぶと喧嘩が減る

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