日本の常識:湯上り娘に首ったけ!
更新日:2021年3月1日
長いこと日本を離れていたので、日本独特の文化がや習慣が改めてとても新鮮な今日この頃です。生まれた国なのにまるで新しい国に来て、すっかりその地に心を奪われたような感覚です。それを品格シリーズの中で時々アップしていますが、これはあくまでも長いこと日本に居なかった者の独断と偏見ですので、的外れな意見はどうぞ悪しからず、ご容赦下さい。
それにしても最近「フッフッ.....」と笑ってしまうのが、米や野菜に楽しいキャッチーな品種名がついていること。みんな一生懸命考えて作物の特徴を表したり、地域にちなんだ名前をつけてますね。これも工夫を重ねる日本人の特性だと思って、品格シリーズに加えました。
私が子供のころ聞いた名前は「農林一号」のように、いかにもお役人さんがつけたのかと思うようなものでしたね。ウィキペディアで見てみたらお米の品種名「水稲農林一号」は、昭和の初めに命名されたようで、どうりで固い響きです。
最初の親しみやすい名前として記憶してるのが「コシヒカリ」です。コシヒカリは名前からして新潟原産かと思いきや、誕生したのは福井県とあります。登録された正式名は「農林100号コシヒカリ」で、登録時期はずいぶん古くて昭和31年、今から60年も前のことでした。その後昭和の終わりから平成の初めころに新潟県や福島県で、さかんに栽培されようになったそうです。
独断と偏見で選ぶ 品種名第一位は "湯あがり娘"
我が家は東京に限りなく近い田舎で、周りには昔からの大きな農家がまだ何軒も残っています。そして #本土寺 という何百年も続いているお寺があり、寺に続く参道には農家が店を出して裏の畑でその日の早朝採れた野菜を売っています。
先日その店に行ってみると路地物の枝豆が売られていました。ビニール袋には名前もありませんが、さやの緑が鮮やかでピンとしています。すると店のおばちゃんが「#湯あがり娘 だよ」と言いました。
一緒にいた夫も私も何のことか分からなくて「えっ」というと、おばちゃんは「枝豆の名前だよ」と言いながら「あれ、知らなかった?」という顔をしています。これには夫と二人で大うけ。
調子のいい夫は「まるでお母さんのことみたいだね」などと冗談を飛ばしています。それに負けずにおばちゃんは「あたしゃ、湯あがりババぁだよ」と返しています。
大笑いしながら茹で上がった枝豆の初々しい様子が、ふろ上がりの娘のようなのかと妄想が一気に膨らみました。そして食べてみたら本当に新鮮でほどよい甘さと香り、全然名前負けしない味です。
それ以来うちでは「湯あがり娘」に首ったけです。
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