日本の常識:トイレのおきて
更新日:2021年3月1日
今日は日本の「女子トイレのおきて」に関する歴史(?)と、日本人の学習能力の高さについてお話したいと思います。
私がアメリカに移住したのは1986年のことでした。
当時日本では公共の女子トイレで順番待ちをする際、一つひとつのドアの前にどこが早いかカンをたよりに並ぶというのが常識でした。
しかしこの方式だとすごく当たり外れが出るんです。
それはもし自分の並んだトイレがなかなか開かないと、後から来た隣のトイレ前に並んだ人が、ラッキーにも先に用が足せることが、しばしばあるというわけです。
これでは急を要している時は、フラストレーションとイライラ感がマックスに達します。
女子トイレ新ルール啓蒙運動
そしてこれが、ある時世間の話題として取り上げられました。90年代の中ごろのことだったでしょうか。
議論のポイントは、
「これまでの並び方は不公平が出てよろしくない。トイレの入り口付近から一列に並べば、開いた順に先頭の人が使えるので公平である」というものでした。
当時ロサンゼルスに住んでいた私は、それを新聞で読みながら、
「これまで長年慣れ親しんだ一般人の習慣を、急には変えられないんじゃないかな」と思ったのでした。
しかしこの私の思いが、日本人の学習能力を完全に侮っているものだと知ったのは、次に里帰りした時でした。。
数か月ですっかり定着 「新女子トイレのおきて」
その新聞記事からしばらくして、日本女子たちがアッという間に「新トイレのおきて」をマスターしたというのを聞きました。
そして一時帰国の際に、どこの公共トイレでも整然と入り口から並ぶ女子を目の当たりにして、
「日本人の学習能力は何とすごいことよ!」とあらためて感心したのでした。
「こんなこと当たり前」と思う方もあるかもしれません。
でも少し外国で暮らしたことのある人は、日本人の学習能力の高さに気づかれた経験がきっとあるのではないでしょうか。
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