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​小さなミラクル通信

守秘義務尊重のため内容は著者の経験に基づいた創作です

  • 執筆者の写真王丸典子

お金がない!!


私はある時人生始まって以来の #経済的窮地 に立たされていました。毎日ご飯を食べるだけの収入はあったのですが、月末の家と車のローンをすべて払えそうにありません。


その頃の私はある会社で事務員として働いていて、自分の学歴や資格を考えたら額面上はとても良い収入を得ていました。ところがアメリカの独り者に対する税率は非情で、二週間に一度出る給料でやっと暮らしている状態でした。そして毎月足りない分は、少ない貯金を切り崩して何とか過ごしていました。


そんな状態なのに、私はある友人にその虎の子の貯金を貸したのです。貸す時亡くなったおばあちゃんが言っていた「お金を貸すは、上げること。覚悟を決めてやりなさい」と言う言葉が頭をかすめました。しかし友人の「利子をつけてすぐ返す」と言う言葉を信じて貸してしまいました。結局お金は返ってきませんでした。


月末が来るまでの何日間は、何をしていても「ローンが払えなかったらどうなるんだろう」ということばかりが頭を駆け巡ります。


こういう時のネガティブ妄想は天才的です‼

ローン会社に車を取り上げられたら仕事に行けなくなる。現金がないんだから、代わりにポンコツ車を買うことも出来ない。そうしたら職も失うかもしれない。そうなると医療保険も無くなるし。(アメリカでは医療保険は仕事を通して加入)


家も取り上げられたら、住むところがなくなる。いまの家の返済金は普通のアパート代より安いのに、これより安いところなんて見つけられない。


病気にでもなったらアッと言う間にホームレスじゃ!

日本の母に言えばきっと助けてくれたことでしょう。でもアラフォー女のプライドが、母に相談するのを阻んでいました。事情を薄々知っていた親友も「困った時は貸してあげるよ」と言ってくれたのですが、この友人に自分がされたことをしたくありませんでした。


そのころの私は昼間の仕事に加えて、夜間大学院で心理セラピストになるための授業を受けたり、授業のない日はカウンセリング・クリニックでインターンとしても働いていました。そんな事情でスケジュールはパンパン、気持ちに余裕もなく妄想以外に良い知恵は全く浮かんできません。


そしてある土曜日。その日は珍しく家にいて翌週に迫った試験勉強をしていました。

一心不乱に勉強していると、電話が鳴りました。セールス・コールが多いので普段はすぐ電話に出ないのですが、うっかり忘れて受話器を取ってしまいました。


すると、「....銀行ですが、あなたの家のローンを低いレートに掛け替えませんか。それと同時に、もし他のローンも家のローンに組み込みたければ可能です。ええ、手続きをすぐ始めれば、今月末の支払いから変更可能です」


これは天使の声だ!

この時私は雄たけびをあげ感涙にむせび、すっかり電話の女性銀行員を狼狽させました。

家と車の #銀行ローン の掛け替えをすることで、職を失うこともホームレスになることもありませんでした。頭の中で駆け巡っていた「#お金がない!」はこの時終わりをつげました。


こういう経験があると、つくづく人生って素晴らしいと思ってしまう私は、ちょっと単純すぎますかね。


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