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​小さなミラクル通信

守秘義務尊重のため内容は著者の経験に基づいた創作です

執筆者の写真王丸典子

女の気持ち・男の理論

更新日:2021年1月24日


「男脳と女脳」や「女は感情の動物 ・ 男は理論的」というのをよく耳にします。もちろんその反対に、理論的な女性や感情的な男性が存在するのも事実です。


しかし私が 心理カウンセリング ・ルームを訪れる人の話から感じるのは、女性は感情のプロセスを重んじ、男性は問題解決を重視する傾向があるということです。


小百合さんは婚約者とその幼馴染の関係について悩んでいました。幼馴染は女の人で婚約者にとっては妹のような存在なのだそうです。しかしこの幼馴染は四六時中女性の婚約者に携帯メールや電話をかけてきて、ひどい時には土曜日の夜中過ぎに連絡が来ることもあるそうです。

小百合さんはずいぶん長い事そのことに触れずにいたのですが、いよいよ結婚式も迫り婚約者と一緒に住むようになると、幼馴染の連絡してくる頻度があまりにも多くて本当に驚きました。


気の弱い小百合さんは勇気を振り絞って、婚約者に自分の気持ちを話そうとしました。


初めは女性の話を落ち着いて聞いていた婚約者でしたが、次第に気分を害したようで最後には話し合いにならないほど怒ってしましました。

そこで一度婚約者にもカウンセリングに参加してもらうことになりました。


小百合 みゆきさんとあなたの仲を疑っているわけではなのだけど、みゆきさんがあまりにも頻繁にあなたに連絡してくるから、なんだかあまり気持ちが良くないのよ。


婚約者 そんなに心配なら今後は携帯メ 

    ールの記録を全部見ればいいじゃないか‼(怒り声)それなら君も気が済むだろ

    う。大体僕のことをそんなに信用出来ないで、どうして結婚なんて出来るんだよ。

    君はおかしいよ‼ 信用されないで結婚するなんて、まっぴらだ。


小百合 信用してないなんてことはないんだけど.... ごめんなさい。私が気にしすぎなのかし

 ら。


婚約者 そうだよ‼ おかしいよ、みゆきは僕の妹みたいなのに、それを疑うなんて。


小百合 ...... (静かに泣き始める)


私/カウンセラー あなたは婚約者とみゆきさんの男女の関係を疑っているというよりは、

        みゆきさんが四六時中連絡してくることに不快感を持っているようです

        が。そしてその気持ちを上手く説明出来ずにいるように見受けられますが

        いかがでしょうか。


小百合 そうなんです。彼に気持ちを聞いてほしいんですけど、うまく説明出来ないうちに

    彼が怒ってしまって......


私/カウンセラー 話し合いが出来たら、彼に何を分かってほしいと思いますか。


小百合 みゆきさんが時間や曜日かまわず連絡して、また彼がそれに答えて年中メールを返

    すことに不快感を覚えているということを分かってほしいのです。


私/カウンセラー あなたたちはこれから結婚して新しい生活が始まりますが、そのことに

      よって二人以外の人との関係は、これまでとは違うものになっていく可 

        能性があります。結婚生活は毎日の積み重ねで上手くも行けば、ヒビが入

        ってしまう場合もあります。そう考えると婚約者さん、この問題に対して

        何か思うところはありますか。


婚約者 それじゃ僕にどうしろって言うんですか。


私/カウンセラー 女性さん、彼にどうして欲しいか整理して言えますか。


小百合 みゆきさんと縁を切れなんて言うつもりはないわ。みゆきさんが連絡してくるのを

    止めてくれと言うのも伝えづらいでしょう。ただ遅い時間や休みの日には、あなた

    から返事するのを控えてもらえたら。私も仕事をしているし私たちが一緒にいる時

    間は貴重だから、みゆきさんとあなたがやり取りしているのを見ると、私たちの関

    係に第三者が入り込んでくるような気持がするの。


私/カウンセラー 婚約者さん、彼女があなたに伝えたいこと上手く伝わりましたか。それ

        についてどう思いましたか。


婚約者 女性は面倒くさいですね。


私/カウンセラー そうかもしれませんが、ただもし彼女に男性の幼馴染がいて四六時中連

     絡してきたらどうでしょう。


婚約者 まぁ、あんまり嬉しくはないでしょうね。わかりました。遅い時間や土日はなるべ

く返事しないよう努力してみます(少し不服そう)



小百合さんは自分の気持ちを婚約者に伝えて理解してもらうというプロセスを重んじ、一方男性はまゆみさんとはやましい関係ではないのだから、女性に携帯メールをチェックさせて解決しようと理論的に考えました。


この問題に対する二人のアプローチの違いが、問題解決を難しくしていました。




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