内向的は短所ではない
更新日:2021年3月3日
友人があまりいなくて寂しい。このようなご相談を受けることがあります。そしてそのような人達は、しばしば自分は外交的でないからと嘆きます。
この場合の外交的とは広い交友関係を持ち、上手く社会に適合するという意味だと思われます。そして確かに今の世の中、内向的は不利な性質と思われがちです。
外交的であれば成功するという呪縛
外交的であることが好まれて、内向的がうとまれるのはなぜでしょうか。確かに外交的であれば多くの人と出会う機会もふえ、様々な情報を得ることができます。
また外交的な人は自己主張が得意で、他の人に自分の存在を気づいてもらえます。
外交的な人は人脈作りも得意です。私も大学院の教授から散々「サイコロジストとして成功したかったら、出来るだけ多くの会合に参加して人脈をつくりなさい」と言われ続けました。
これほど外交的が好まれる理由は、多くの人が「外交的で人脈豊富な人は成功する」という固定観念を持っているからではないでしょうか。
内向的で人脈がなくても困ったことは起きない
あのように教授に言われ続けたにも関わらず、何しろ会合やパーティーがきらいで、私はほとんど出たことがありませんでした。
こころのどこかで「自分の性格に逆らって無理に人脈作りをしても、あまり良いことはないだろう」と、信じていたように思います。
こんな私ですから、サンディエゴ市で心理カウンセリングクリニックを始めると言った時、周りは「人脈が全くないのに無謀じゃないか」と、とても懐疑的でした。しかし自分の出来ることに全力をつくしていると、不思議なことに自然に手助けしてくれる人が出てきました。
例えばまだクリニックを立ち上げたばかりのころに、「#Lighthouse, San Diego」というコミュニティー誌の社長さんから「毎月セミナーをやるとコミュニティーにあなたのことを知ってもらえますよ。うちの雑誌に無料でお知らせを掲載してあげましょう」と、信じがたいサポートをいただきました。
また英語があまり得意でないクライアントさんが、抗うつ剤や抗不安剤の薬を必要としていた時のことです。いろいろと調べていると、なんと車ですぐのところに日本語が堪能な精神科医のクリニックがあったのです。
このような経験から、たとえ外交的でなくても人脈がなくても、自分に合った方法で人事を尽くしていると、必ず解決策を見出すことができると強く信じるようになりました。
内向的は欠点ではない
マイヤーズブリッグス性格診断 (Myers-Briggs Type Indicator) テストは、全世界で最も利用されている性格診断テストです。これは人の性格を16のカテゴリーに分け、その人の性格に応じてキャリア選びや、成功につながる方法を見出す指針となるものです。 このテストの一番最初の分類は、「外交型」か「内向型」ですが、これはあくまでも被験者の性格を診断するのが目的であり、どちらが優位かということではありません。
これによると、たとえ内向的であっても自分に適した仕事に就くと、十分社会に貢献し成功できることが分かります。
私のテスト結果
この型に当てはまる人は「週末は気分転換のため一人で過ごすことが重要である」とあり、あまりにもあたっているので思わず吹き出しました。
どういうわけか外交的な友人が多く「気分転換にでかけようよ」と誘われるのですが、私にとってはこれが全く気分転換にならないのです。
先日二十数年ぶりにまたこのテストを受けてみたところ、結果は前回と同じでした。
内向的でも十分社会に貢献でき、成功者も多数いる
この試験の解説には自分と同じタイプの有名人が例としてでていますが、それを見ても内向的な性格だと成功しないというのは間違いだと分かります。
社会で活躍したり成功するためには、自分がどのような性格か理解し受け入れて、一番合う方法で自分をのばすことがむしろ重要なのではないでしょうか。
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