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​小さなミラクル通信

守秘義務尊重のため内容は著者の経験に基づいた創作です

  • 執筆者の写真王丸典子

キャビンアテンダントなりたかったのに!


皆さんは思ってもみないことが、ポロっと口から出ることありませんか。これは失言とはちょっと違います。例えば受けようと思っていた申し出をとっさに断ってしまい、後になってあの時断ったから今の自分があるのだと思うような経験です。


私も千載一遇のチャンスを思いがけず断ってしまい、#キャビンアテンダント(#CA)になる機会を逃した経験がありました。これは何十年も前のことで、当時はジャンボ機乗り入れや海外旅行者の増加で、私が地上職員として務めていた #航空会社 はたくさんのCAを雇うことに決めました。しかしそれでも間にあわないので、身体検査のみの社内採用もすることになったのです。


丁度それより2年程前、就活中だった私はCAになるのを諦めていました。それは子供のころから可愛がってくれたおじいちゃんが重い病気にかかり「飛行機に乗るのはやめて」と言って亡くなったからです。そしてやっといま世界中を飛び回りたいと願った私の夢がかないそうではありませんか。そう考えると喜びで夜も眠れない程の興奮です。


社内採用締め切り日まで何度か人事課に出向いて申し込みをしようとしました。ところがそのたびに何か思いがけないことが起きて、どういう訳かなかなか行けませんでした。そうこうしているうちに締め切り日になり、私の希望を知っていた人事課の人がその日電話をかけてきました。


しかしなんと私の口から出た言葉は「考えたけどやはりやめることにしました」だったのです。言っておきながら本当に自分でもビックリです。なんでこんなことを言ってしまったのか!呆然としながらも、前言を翻すことなく締め切り日は過ぎてしまいました。


それから一年程して私は役員秘書室勤務になり、その経歴がその後アメリカの永住権を取る際大いに役立ちました。あの時CAの道を断ったことで違うチャンスも与えられ、経験出来たこともたくさんありました。そして今ではあれが私にとってベストの選択だったのだなとしみじみ思っています。


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