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​小さなミラクル通信

守秘義務尊重のため内容は著者の経験に基づいた創作です

  • 執筆者の写真王丸典子

DVから脱出出来ました、ありがとう!

更新日:2018年2月13日


ある時サンディエゴの #カウンセリングクリニック で書類書きをしていると、若い日本女性から電話がかかってきました。その人はわけ有って名乗れないけれど、助けてほしいと言います。


電話カウンセリングは通常受け付けないのですが、その人の切羽詰まった声を聞き思わず耳を傾けました。すると夫からひどい #DV を受けていて、何とかしたいがどうすればよいか分からないと言います。


アメリカ人の夫は数年前に体調を崩して以来無職で、女性が家計を支えるため複数の仕事を掛け持ちしながら生活しています。そんな女性に対して夫は体や言葉の暴力を毎日浴びせ掛けます。夫の口癖は「お前が悪いから、俺がイライラする」でした。

女性はどのようにしたら夫を助けられるかと真剣に聞いてきます。心から自分が悪いから夫を怒らせてしまうと思い込んでいました。しかし夫の暴力は想像を絶するもので、女性の命さえも脅かしそうでした。


そこで女性にDV加害者のパターンを話し、夫よりもまず自分の身の安全を守る必要があること、自分の命が危ないと思ったらすぐシェルターに逃げなさいと諭しました。友達の所に逃げても夫に見つけ出されて、家に引き戻されてしまう可能性を案じました。そうなると夫のDVはもっとエスカレートするに違いありません。


会話の終わりに女性は「目が覚めたような気がします。明日仕事に行くふりをしてパスポートとお金だけ持って家を出ます。生活が落ち着いたら必ず連絡します」と言い電話を切りました。

しかしその後女性からは何の連絡もなく、あのように話していたけれど結局家を出られなかったのかもしれないと思っていました。そして月日は流れ私もその女性の事は考えなくなりました。


ところが最初の電話から一年くらいたった時だったでしょうか。何とあの女性からメールが届きました。そこには電話の次の日に家を出たこと、しばらく #DV被害者シェルター に留まり #心理カウンセリング や体の傷の治療を受けたこと、そして心身ともに安定すると、ひそかに他州に引っ越す準備をすべてシェルターがしてくれたことが書かれていました。



そして今は夫が全く知らない新しい土地で、ウェートレスをしながら資格を取るために学校に行っているとあり、何枚も満面の笑みでポーズしている美しい女性の写真が添付されていました。


本当に良かった!女性からのメールを読みながら、これが心理カウンセラー冥利に尽きる瞬間だと心から思いました。

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