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​小さなミラクル通信

守秘義務尊重のため内容は著者の経験に基づいた創作です

執筆者の写真王丸典子

どのような療法:統合心理カウンセリング

更新日:2019年3月1日


#インテグラルカウンセリングサービス で主に用いている療法は統合心理療法です。これは英語でIntegrative Psychotherapyと言い、アメリカではここ20年ほどとても盛んに用いられるようになりました。


日本ではまだあまり知られていないようで、ウィキペディアの説明も英語しかありません。私は大学院で統合心理学/療法を学び、その後もこの療法を用いてクライアントさんの治療にあたってきた結果、とても効果のある療法であると信じています。


心理療法には様々な種類があります。#統合心理療法 とは具体的に言うと、いろいろな種類の療法を組み合わせて、各クライアント特有の問題解決と #精神状態の向上 を目指すものです。いわゆるカスタムメードの療法と言えるのです。


いま日本ではアドラー心理学に人気が集まっています。これは素晴らしいことなのですが、ただアドラー心理学のみを使ってカウンセリングを行うと、症状がすぐには解決しない場合もあるのです。


では例を使って統合心理療法を簡単に説明します


41歳の白人女性は有能なビジネスウーマンです。この人はあることがきっかけで仕事でプレゼンをする際、心臓の鼓動と発汗が止まらなくなりました。仕事がら年中プレゼンしなくてならない立場なので、女性はとても困っていました。そして医者からは心理的なことが原因なのでサイコロジストの治療を受けるよう指示され、私のクリニックにやってきました。

まずこの女性の人柄、学歴、家族や友人関係また仕事の状況等を深く理解するため、#カール・ロジャース という人の提唱した来談者中心法を用いました。女性を深く理解することを通して、このクライアントの信頼を得ることにつながりました。そしてクライアントと一緒に問題解決を探っていく地盤を作りました。これには4-5回の面談をあてました。期間にしてひと月からひと月半です。


次にプレゼンの際の不安感と発汗に関して、なぜそのような状況があらわれてくるのかアドラー心理療法を用いて探りました。するとそこには女性の「自分は無能だ」という #セルフイメージ が存在していました。その根底にあるのは「無能」であれば失敗しても他の人は納得するだろうし、自分自身もがっかりしないということでした。


ビジネス社会において有能でありたい気持ちと、無能であれば安全であるという気持ちが常にせめぎあっていることから、汗と不安感という症状が現れていたようです。

そして #アルバート・エリス の論理療法を用いて、女性のセルフイメージに変化を持たせ、その結果徐々に不安感が軽減し発汗も収まっていきました。


また #発汗 そのものを軽減する方法として、カウンセリング当初から #バイオフィードバック マシンを用いて、#呼吸法 による #自律神経安定トレーニング を継続しました。これにより3か月ほどで次第に発汗量が減り、10か月継続後ほとんど気にならない程度になりました。


もう一つ発汗減少に影響を与えたことがありました。来談者中心法の面談の中でいつ発汗が起きやすいか探ったところ、朝仕事前にスポーツジムに行き #栄養ドリンク を飲んだ日の発汗が、飲まない日より格段に多いということ気づき、ドリンク剤の使用を止めました。

女性の強い希望により安定剤等の投薬はせず、心理カウンセリングのみで治療を行いました。


これは統合心理カウンセリング療法の一つの組み合わせ例です。状況や #クライアント の性格などにより、この組み合わせは絶えず変わります。またそれぞれの療法は次から次に移っていくというよりは、同時進行で継続していくことがほとんどです。


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