top of page

​小さなミラクル通信

守秘義務尊重のため内容は著者の経験に基づいた創作です

  • 執筆者の写真王丸典子

あんたらどこのバンドやねん?エーッ!


バンド探しで登場したKさんのお話です。Kさんはあるメーカーの社員として長年仕事をしました。その間海外出張も多く、ヨーロッパやアジア、アメリカ等いろいろな都市を訪れました。


これはある時イタリアのミラノに仕事で数日滞在した時に起こりました。忙しい一日が終わり、夕食に出かける前にいったんホテルの部屋に戻りました。夕食に行くまで少し時間があったので部屋で休んでいると、どこからともなく高らかにトランペットを練習する音が聞こえてきました。


その音はかなり大きく「ホテルのような公共の場所でトランペットを練習するとは失礼な」とKさんはちょっとムッとしました。しかしよく耳を澄まして聞いてみると、相当技術の高い人が吹いているということも分かったそうです。


ようやく食事に出かける時間がやってきたので、ロビーまで降りていくと楽器を持った一団がロビーに居ました。黒人が多くどうやらアメリカ人のようです。そしてこれから一緒にどこかに演奏に行くらしい様子です。


元来音楽に関係することになると自分を止められなくなるKさんは、その中の一人に思わず「あんたらどこのバンドやねん」と聞きました。するとその人は "We are the Count Basie Orchestra #カウント・ベイシー・オーケストラ だよ」というではありませんか。


#ジャズウィルス 感染歴の長いKさんですが、中でもビッグバンドは大好き、まして憧れのカウント・ベイシー楽団にこんなところで出っくわすとは!


あまりの驚きに声も枯れそうだったのですが、やっとコンサートはどこでやるのか聞きました。するとその人は気さくに続けて "Blue Note, Milan" との返事。


もちろんビジネス・ディナーの約束もそこそこにブルーノートにすっ飛んでいきました。そして翌日の晩もディナーはキャンセルし、ミラノでたっぷりカウント・ベイシーを堪能したのでした。


Kさんがミラノのブルーノートで一人大興奮している様子が、目に浮かぶようじゃありませんか。


閲覧数:1回

New Posts

bottom of page
http://pingoo.jp/ping/