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​小さなミラクル通信

守秘義務尊重のため内容は著者の経験に基づいた創作です

執筆者の写真王丸典子

アドラー心理カウンセリング 経験に与える意味


日本に戻ってまだ日も浅いある日、電車に乗っているとなんだか見慣れた顔の白人男性の写真が目に留まりました。誰だったけこの人?今は亡き遠い親戚の叔父さんのような印象です。


そこには「#嫌われる勇気ーアドラー心理学」とあります。そうだ!アドラーさんこういう顔してたわ、と気づきました。


カリフォルニア州 #サンディエゴの大学院(CSPP)で心理学の勉強をしている頃は、多くの心理学派のセオリーや療法を叩きこまれ、アドラーもその中の一人でした。

ところが日本では今や「神様 仏様、アドラー様」ほどの大人気だそうで、これにはビックリでした。


それにしても多くの人がアドラーさんを通して、自分の生き方を見つめたり、幸せとは何かを考えるのは素晴らしいことだと思います。


心理カウンセラーとしての私のアプローチは、ここ20年程アメリカで盛んに用いられるようになった #統合心理療法 といいます。これは様々な療法を患者のニーズや状況に応じて組み合わせて用いるものです。その中にはアドラー心理療法もあります。

そこで私が担当したケースで、どのように #アドラー心理療法 を用いたか、例を挙げてお話ししましょう。


ある男性は数年前に契約寸前で新築の家を買うことを取りやめました。その家はとても良い地域にあり、男性と妻そして子供2人の4人家族が住むにはピッタリの物件でした。しかしその人は家を買うことにより生ずる「責任」に恐れをなし、契約の30分前にキャンセルしました。


あれから数年の月日が流れましたが、男性の心は後悔の念でいっぱいです。自分に勇気が無かったために、あんなに良い家を手に入れるチャンスを逃したと毎日のように思っています。そればかりかもうあのように条件の良い家は、一生買うチャンスはないと思い込んでいます。


アドラーの考え方:人は経験の中から自分の目的にかなうものを選び出す。人がその経験はXXXだと考えているとするなら、何らかの目的を遂げるためにそう考えたい理由がある。

この男性は家を買わなかったという経験を失敗とらえて、それによって人生を支配されている状態でした。


#心理カウンセリング では、この人がなぜこの経験を失敗ととらえているかを一緒に考えました。そして男性はどうしてかたくなにこの思いを持ち続けるのか、その目的は何かを見つめました。


するとやがてこの男性は自分自身に「失敗者」のレッテルを張っておけば、新たなチャレンジをする必要もない。そして二度とがっかりすることもない、と考えているからだと気づいたのです。そこから少しずつ見解に変化が表れ始めました。


経験に対する見解は人によって様々です。一見ネガティブな経験も、今日自分がどのように生きるかで、良くもなれば悪くもなるわけですね。




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