​小さなミラクル通信

守秘義務尊重のため内容は著者の経験に基づいた創作です

俯瞰で見ると世界が変わるよ

最終更新: 3月5日


人の悩みというのは尽きないものですね。


心理セラピストとしてクライアントさんと接するたびに、この思いは深くなります。本当に悩みを抱え込むのは辛いことです。


それならば、どのようにしたら悩みから自分を解放できるのでしょう。

悩みを解消する方法はいろいろありますが、物事を俯瞰し、フェアシンキングを行うというのもその中の一つです。

フェアシンキング法とは、物事を俯瞰し客観的に観察することを通して、従来の物の見方や考え方を見直す方法です。この場合のフェアとは、身びいきせずに状況を見るということであり、それが問題解決につながります。



俯瞰に見ることを通して物事を冷静に、そして客観的に観察することです。なぜそれが重要かというと、問題は冷静に客観的に見るだけで、解決することがあるからです。物事を俯瞰することが、フェアシンキングの大切な出発地点なのです。



フェアシンキングを使ったカウンセリング面談


今日のカウンセリング面談のクライアントさんは、ユミコ(仮名)さんという三十代の女性です。アメリカ人の旦那さんとの間に、五歳の息子がいます。息子が保育園に入った後、ユミコさんは職場復帰し、それ以来仕事と子育てを両立しています。


ユミコさんの普段の面談の内容は、国際結婚や子育ての難しさに関してなのですが、今日はどうやら職場や自分のキャリアについて話をしたいようです。


「もう本当にいまの仕事がイヤでイヤでたまらないんですよ。

無能な上司にバカな同僚。わけの分からんことを言い続ける取引先。

そしてしばしばモンスター化する顧客たち。あ~ぁ」


と、絶叫気味のユミコさんは大興奮でまくしたてます。


「自分が本当にやりたいことは、こんなカスタマー・サービスじゃないんです。もっと何かクリエーティブなことがしたいんです。マネジメントでも良いわ。本当にこんなに嫌なのに、働き続けなきゃいけないなんて地獄です。」


小鼻に汗をかきながら、ユミコさんの訴えは続きます。


「クリエーティブな仕事って、どんな仕事でしょう。何かイメージありますか。」

私はユミコさんの弾丸トークの隙をねらってたずねてみました。 


「いえね、具体的なことは何もないんですけど、とにかく今の仕事がバカバカしくて大っ嫌いなんです。だって将来性がみじんも感じられない気がして。」


「そんなに嫌だとしたら、辞めるという選択肢もあるでしょうか……」

と、少し揺さぶりをかける私に対して、今度は自分がこの仕事を辞めることができない理由を、ユミコさんは次々に並べたて始めました。


私は興奮気味のユミコさんに、こう話しかけます。

「ユミコさん、とても嫌な仕事のようですけど、やめることができない事情もあるんですね。それならいまのお仕事を受け入れられるように、自分が納得できると良いですね。」


「えーっ、納得するーっ。そんなの無理ですよ。まぁ、絶対に辞められないってわけでもありませんし……」


「辞める選択もあるのはよかったです。でも辞める決断をする前に、一緒によく考えてみましょう。


ユミコさんの場合のように、状況を変えるのが難しいとしたら、自分自身が無理のない程度に少し変わる。多分それしか方法はないでしょうね。」


「ふ~ん。」と言いながら、ユミコさんは半信半疑の表情です。


「でもね、今のままだと、これからもずっと苦しくて腹立たしいですよね。それじゃ辛すぎます。今の状況を別の方角から見てみると、少し気持ちが楽になりますから一緒にやってみましょう。」


「はぁ、では具体的にはどうしたら良いんでしょう。