高齢大国を元気にする回想法
更新日:2021年3月28日
かつて若かりし頃、時々訪ねた親戚のおじいちゃんから昔話を何時間も聞かせられ、しばしば頭が痛くなった記憶があります。
おじいちゃんの話はいつも同じことの繰り返しなのに、その様子はとっても楽しそうで元気いっぱい。でも聞かされる私は毎回グッタリでした。
ところがこのおじいちゃん、私を相手に自分の気持ちを健康に保つことをしていたのです。
ストレス発散していたんでしょうね。そう気づいたのは、何年も後に回想法の授業を受けた時でした。
回想法
回想法とは、これまでの経験や家族の歴史などを話したり書くことにより、精神衛生向上をめざす療法です。
これは主に シニアを対象に 心理カウンセリング の個人面談あるいは グループカウンセリング の形で行います。
多くの場合アルバムや昔の手紙などを用いて、参加者に昔話をしてもらいます。グループ形式の場合は、他の参加メンバーと思い出を分かち合い意見を交換します。
このアクティビティーを通して、シニアは自分が成し遂げたことや果たした責任などを再認識し、自分の存在価値を確認します。すると #うつ など 精神疾患症状 の緩和に繋がります。
昔話をするだけで治るなんて、ちょっと信じがたいと思う人もいるかもしれません。しかしこれは、アメリカ心理学会 が大真面目に認めているとても有効な療法なんですよ。
アメリカでは アルツハイマー型認知症 の症状安定にも、回想法が取り入れられていて大きな成果を上げています。
私自身もこの療法をシニアのカウンセリングに用いて、クライアントさんに信じがたい変化が起きたことが何度かありました。ある老婦人はうつが原因の 攻撃性 が緩和し、また別の女性は 記憶障害 や 奇行 が大幅に減少しました。
先日のニュースでは、ある地方自治体がかつて8ミリで撮影された様々な家族の記録をDVDに起こし、シニアに見せて楽しんでもらう活動をしていると伝えていました。
その会に参加しているシニアの表情はとても楽しそうで、会話も弾んでいました。これはまさしく回想法ですね。
今後日本はますます社会の高齢化が進む予定です。大いに回想法を行って健康老人が増えると良いなと思います。
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