アドバイスは求められた時だけに
更新日:2021年2月26日
あなたの大切な人が悩みごとを話す時、あなたはどのような気持ちになりますか。一緒になって悩みを解決してあげたくなりますね。
するとあなたは「こうするといいんじゃない」、「そんな人と付き合うのはもうやめた方がいいよ」、「いつまでクヨクヨしているの。もう忘れちゃいなさい」などと様々なアドバイスをします。
このような言葉は、あなたがその人を思う気持ちから出るので、一概に悪いわけではありません。しかし悩み抱える人にとって、一番ありがたいのはあなたのアドバイスではなく、話を聞いてもらうことなのです。
聞き手からすると同じ話を繰り返しているように感じても、話し手は心の中にあるわだかまりや受けた傷を、話すことを通して徐々に癒していくことができるのです。
話をすることで次第に心の混乱がおさまり、客観的に考え自分自身で解決策を見出していけるので、本当に聞いてくれる人の存在はありがたいものです。
なぜアドバイスは避けた方が良いのか
アドバイスを避けて話を聞くことがなぜ大切か下記にまとめてみました。
★共感とは同意ではなく、相手の気持ちや意見を良く理解しようとすること
お母さんがアドバイスせずに子供の気持ちを聞いてあげても、大人に対する時と同じように効果があります。「こうすればいい」「ああすればいい」と言わずに、子供の心に寄り添うと、子供の中で自分で解決する能力が育っていきます。
意地悪されたシィちゃん
いつもは幼稚園から戻ると元気に弟と遊ぶシィちゃんですが、今日はなんだかしょんぼりしています。
「どうしたのシィちゃん」と、お母さんが聞くと
「まりかちゃんが、今日はよっちゃんと遊ぶからシィちゃんと遊ばないって。」
それを聞いたお母さんは心臓がドキッとして、まるで自分が仲間外れにされたような気持ちで胸が苦しくなりました。
シィちゃんと同じように悲しくなったお母さんは、少し腹もたってきました。以前のお母さんなら「まりかちゃんが遊んでくれないなら、ゆう君と遊べばいいじゃない。アリサちゃんだっているし!」と、少しキツイ声でアドバイスするところです。
でも今のお母さんは、こんな時はシィちゃんの気持ちに寄り添って、話を聞いてあげるのが一番だと知っています。
そこで「まりかちゃんに遊ばないっていわれて、シィちゃんどう思った」とシィちゃんの頭を撫でながら聞いてみると、
「悲しかった」と言って、シィちゃんは大粒の涙をポロポロこぼします。
「そうよね。シィちゃん悲しかったよね。まりかちゃんといつも遊んでたんだものね。」と、お母さんはシィちゃんの寂しさや悲しさに共感を示します。
お母さんがこのように穏やかな声でシィちゃんの気持ちを聞き出す作業を続けていると、シィちゃんの気持ちも大分落ち着いてきたようです。
そこでお母さんは「シィちゃん明日は誰と遊ぶ?」と問いかけると、
「まりかちゃんにも聞いてみるけど、ダメだったらアリサちゃんと遊ぶ」と、自分で解決策を見出しました。
そして弟とおやつを食べるころには、シィちゃんの顔に笑顔が戻ってきたのでした。
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