魅力的なシニアになる秘訣
独身時代から苦楽を共にしたネコのブランディが十九歳で天国へ行った時は、心にポッカリと穴が開いたようでした。
ペットとはいえ長年一緒にいれば大切な家族です。ロサンゼルスでの一人ぼっち生活で、ブランディは私に生きがいを与えてくれた存在でした。
しかしブランディが旅立った頃の私は仕事に忙殺される毎日で、だからとても悲しいのですが、仕事をしている間はそのことを考える暇がありませんでした。
後になって考えると、これはとてもありがたいことだったのです。
抑うつ感を持つ六十代の男性のカウンセリングをした時のことです。この男性の唯一の生きがいは、クラリネットの演奏でした。
特にジャズが好きで、地域のビッグバンドのメンバーとして長年演奏してきました。
しかしある時この男性は、脳梗塞の後遺症で左手が不自由になったのです。
全く動かないわけではありませんが、ビッグバンドの演奏はあきらめざるを得ませんでした。
唯一の生きがいを失った男性が、抑うつ感を覚えるようになったのはこの頃でした。
生きがいを複数持つ重要性
一人暮らしのこの男性は演奏以外の楽しみがありませんでした。
だから演奏が出来なくなった今、どう時間を過ごせばいいか全くわかりません。
この人と話しながら、私はブランディが死んだ頃のことを思い出しました。
あの頃は辛かったですが、私にはまだやらなければならない仕事があり、あれで随分助かったんだとつくづく悟ったのでした。
この男性の例を見ても、生きがいは是非複数持つことをお勧めします。
精神的に打撃を受けた直後に新たな生きがいを見つけるのは難しいですね。
だから日ごろから意識的にいくつかのことするようにしましょう。
達成感や満足感が生きがいの原動力
また生きがいの中には気楽に楽しめるものと、少し努力や困難を伴うものを同時にもつことが大事でしょう。
まだまだ元気で働きたいと思う人は、週に何日か働くのも選択肢の一つです。
仕事というのはそれ自体は単純作業だったとしても、必ず何らかのストレスを感じる事柄があります。
嫌味な上司や同僚がいたり、難しい顧客や相手先が頭痛の種だったりする場合もあります。
勿論仕事でなくても良いのですが、少し難しくてそこからある程度の達成感や満足感を持てるようなことを必ず一つ持ちましょう。なぜなら達成感や満足感が、生きがいの源になるからです。
マラソン、ダイビング、語学や習字など、興味はあったけどこれまでやらなかったことはありませんか。
楽しみながら継続できて、しかもちょっと難しいことならなんでも良いですね。
これまで歳の意識に縛られて始めなかったことも、是非後悔のないようにやってみましょう。
何事もやってみるまで好きか嫌いかは分からないですよね。
★魅力的なシニアは生きがいを複数持つ 要約
生きがいを複数持つとその中の一つが出来なくなっても気持ちを維持できる
複数の生きがいの中には少し難しさを伴うものを混ぜる
仕事やちょっと難しいゴールに到達することで達成感や満足感を覚える
それがシニアの魅力保持の原動力である
生きがいを複数持つことはシニアの魅力保持に不可欠
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