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​小さなミラクル通信

守秘義務尊重のため内容は著者の経験に基づいた創作です

  • 執筆者の写真王丸典子

躁うつクライアントに思いを馳せる


ステイホームが続いていますが、皆様お元気にお過ごしでしょうか。


仕事をすべてオンライン面談にしてから一年近くがたちました。


私たち心理カウンセラーの仕事はオンラインに抵抗を感じなければ、全く支障なく仕事を続けることができて本当にありがたいことだと思います。


しかし休みの日に外出して気分転換することができないので、今はもっぱらネットフリックスで映画を見ています。


そして昨日は「世界にひとつのプレイブック」を見ました。主演のブラッドリー・クーパーが演じる元高校教師パットには躁うつ病の症状があり、年中警察を巻き込むような騒ぎを起こします。


躁うつ症状に苦しむ様子を見たことがない人にとっては、オーバーなハリウッド映画に見えるかもしれません。


もちろん症状は個人差があり、すべての人がパットのようではありません。


治療が功を奏してつつがなく社会生活を送る人もいれば、極度の躁状態から人が変わったようになり、殺人事件さえ起こすような人もいます。


躁状態のクライアントによくあるのが、非常に気が大きくなり自分には「なんでも可能な能力」が備わっているように感じることです。この状態は本人にとって、とても気持ちの良いものだそうです。


そして気持ちの良い全能感覚が消えてしまうような薬を、拒否する人もあります。


主人公のパットが薬を拒否する様子や、心理カウンセラーのドクター・パテルとの会話は、まさにクライアントと私の交流を思い起こさせるものがありました。


パットがとても魅力的な人物であるように、躁うつ治療を受ける私のクライアント達も魅力にあふれています。


躁状態に陥ったクライアントは、その症状から予約日時を覚えていられなかったり、自分は完全に健康なので治療は必要ないと心から思うこともあります。


そのようなクライアントに寄り添うのはとても難しく、力不足を感じることもしばしばです。


しかし地道に治療を続けること、またパットのように生きる希望を見つけることで乗り越えていく人は大勢います。


「世界にひとつのプレイブック」を観ながら、これまで面談した躁うつ症状に苦しむクライアント一人ひとりが思い浮かびました。

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