自信は自己催眠で取り戻せ!
更新日:2019年2月25日
その時私はすっかりしょげていた。元来怠け者で根性なしの私が何を間違えたか、四十代でアメリカの大学院博士課程に入った。クラスは少人数制で十人やそこらである。
そして教授や同級生の前で毎週のように英語で様々なテーマの発表をさせられる。同級生は自分の子供位の若者ばかりだ。イェール大学やシカゴ大学など有名大学出身の彼らは、頭脳明晰は疑う余地なしである。
もう地獄だよ。と、根性なしの私は嘆く。
一人しょげているとベテランの心理セラピストでもある教授が
「どうしたの? えっ! この期に及んで英語に自信がないって。それじゃ毎日鏡に映る自分の目をのぞき込んで『英語がペラペラ』と言い聞かせてごらん」
からかうなんて教授も人が悪い。と、私はますます落ち込んだ。だがこの教授が言うところの「鏡に映る自分の目をのぞき込んで言い聞かせる」
これが立派な自己催眠法だと知るのは、それからしばらくしてからだった。
老いも若きも経験する寂しい、むなしい
心理セラピストとしてお会いする人達の年齢は様々だ。そしてその多くが寂しさやむなしさ悲しさを感じ、自信をなくして辛い思いをしている。
ある七十代の女性と長年に渡り面談をした。その方は歳とともに環境が変わり友人を亡くし辛くて仕方がない。
「若い方は良いですよ。私のように感じることなどないでしょうからね」
しかしこの女性は間違っている。理由さえ違え小学生だって寂しさやむなしさを感じて苦しむことは多々ある。
ある七歳の女の子はひどい小児喘息で学校に行くことが出来ない。家からサンディエゴ市教育委員会指定の、家庭学習プログラムに参加している。この子は同級生に会えない寂しさや、両親の不仲が悲しくて私のところに毎週通って来た。時々面談するプログラムのアドバイザーが、少女に元気がないのに気づきカウンセリングを両親に勧めたからだ。
人は様々な理由で心の元気をなくす。そんな人たちに是非試していただきたいのが、自分を励ます「自己催眠」である。
自己催眠で自信を取り戻そう!例えば前出の七十代の女性だとしたら、このように行ってほしい。
年を重ねるとはどういうことか。それは経験を重ねること。物事に対する理解が深まること。他人に対して思いやりが持てること。心がゆったりと伸びやかになる時間の余裕が持てること。気持ちが安定すること。そして英知がますます満ちてくること。歳を重ねることから経験するポジティブな要素はごまんとある。
それを鏡に映る自分の目を見ながら繰り返し言って聞かせる。例えば
「私は経験豊富で魅力的な大人」と繰り返す。
いったい回数はどの位行えば良いのだろうか。ある人は同じことを千回繰り返すと臨界点に達し変化が出ると述べている。
しかし千回と言われても途方もない数だ。そこで私は洗面所に行くたびに数回繰り返すことをお勧めする。
この鏡を見ながら自己催眠をかける法は、アメリカで「ミラー・ワーク」と呼ばれている。これはレイプ被害者など深く心に傷を負った入が、心の健康を取り戻すのにとても有効だ。
自己催眠のポイントは二つ。一つは騙されたと思ってやってみてほしいこと。そしてそれを継続的に行うこと。この二点さえ忘れなければ効果は必ず出てくる。定期的にひと月位継続すると多少気持ちが和らぐのを感じるはずだ。
繰り返すことによりメッセージは潜在意識まで到達する。すると気持ちが上向いたり自信がついてきたりする。
魅力倍増の自己催眠メソッド要約
① 繰り返す言葉を選ぶ 例・「私は経験豊富で魅力的な大人」
② 洗面所に行くたびに鏡に映る目を見て言葉を繰り返す
③ 継続して最低ひと月は行う
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