納得力!嫌なことが嫌でなくなる
更新日:2021年2月26日
あれも嫌だし、これも嫌だし、アーッ!って頭をかきむしりたくなる瞬間ってありますよね。
この「アーッ!」を何とかしないと、心も体も参ってしまいます。ストレスが溜まってご飯が食べられなくなったり、寝られなくなったり。仕事の能率もグーンと下がるかもしれません。
ひどい場合は燃えつき症候群と呼ばれるような状態になる人もいます。燃えつきって、疲労が溜まっているだけとは少し違います。もちろん究極に疲労している時に起こるのですが、それ以外の症状も含まれます。
たとえば勤勉な人が仕事を毎日のようにさぼるようになったり、人が変わったように怒りっぽくなったり、家族や周りの人に対してとても冷たくなったりもします。
ある男性は本来とても明るくて呑気な性格でしたが、仕事のトラブルから燃えつき状態になり、朝起きて会社に行くことができなくなりました。
奥さんが起こそうとすると、大泣きしながら壁をドンドンたたいたり、床を転げ回って七転八倒の苦しみようです。毎朝こんなことが続き、一緒にいる奥さんもすっかり参ってしまいました。
多くの人と同じでこの男性もイヤだイヤだと思いながら仕事を続け、しまいにはこのイヤな状況の中で生活することが、完全に耐えられなくなってしまったのです。言うなれば、我慢の限界を超えたわけです。
「納得力」を使えばイヤでなくなる!
この男性のように極限にイヤな状況で我慢しながら身を置くのは、心にも体にも最悪の状態です。しかしイヤでも仕事を続けなければならないような時は、どうすれば良いでしょう。この際我慢だけでは解決しそうもありません。
ものすごく イヤだけれど、どうしても避けられないことや、やらなければならないことを全うする方法は多分これしかないと思います。
それは人間にだけ与えられたパワー「納得力」を使うのです。「え~、今更そんな当たり前のこと」と、思う人もいるかもしれません。
でも、意識的に納得力を使ったことはありますか。納得力も会話力や創造力のように、磨くことができるのです。そして磨かなければ「分かっているけど、できないよね」と、人間だけに与えられたこのパワーを、一生使わずに「イヤだイヤだ」で終わってしまいます。
納得力を磨くフェアシンキング
納得力を磨く方法、フェアシンキングは、そんなに難しいことではありません。この場合のフェアとは偏っていないという意味です。
生活の中できっかけとなる出来事が起きると、私達は自分特有の考え方の物差しに従って出来事を解釈します。この物差しは大体において偏っていると思ってください。そしてその解釈は自動的思考として私たちの意識の中を行ったり来たりします。
偏った物差しによって物事を解釈すると、ほぼ100%ネガティブな感情が生まれます。それが溜まるとストレス状態になり、さらに進むと燃えつき症候群を発症することもあります。
そこで自動思考に変えて、もう少しフェアな(偏っていない)視点に立った考え方を繰り返し自分に言い聞かせることにより、気持ちを立て直します。信じられないかもしれませんが、これを地道に続けていくと確実に納得力がついていきます。
フェアシンキングのエクササイズは上のワークシートを用いて行います。一番右の赤い升目にあるのが、繰り返し意識に植え付けるフェア思考例です。
上手く出来るようになると、ワークシートを使わずに頭の中で瞬時にできるようになります。
科学が証明したフェアシンキングの効果
フェアシンキングはよく知られている心理療法のひとつ認知行動療法を、かみ砕いてセルフ・エクササイズにしたものです。
認知行動療法はアメリカでは最も使われている療法で、科学研究を通してその効果が実証されています。
良く知られているものとして、ネガティブな出来事を経験した時に活発に活動する、偏桃体という脳の器官が穏やかになるという報告があります。また2017年に発表された研究では、脳のネットワークが強化され、その結果ストレスや抑うつ感、不安感が軽減すると結論づけています。
★フェアシンキングで納得力を強化するとイヤなことがイヤでなくなる
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