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​小さなミラクル通信

守秘義務尊重のため内容は著者の経験に基づいた創作です

執筆者の写真王丸典子

私のあしながおじさんへ「チャンスをありがとう!」


まったく予想もしていなかったのですが、私はあるきっかけでアメリカで暮らすことになりました。当初一年で帰国する予定でしたが、結局30年間南カリフォルニアに住みました。


何しろあまり計画性があるほうではありません。思い返すとその間起きた多くのことが「流れにまかせていたら思わぬところに来てしまった」という感じです。





アメリカは就労ビザや永住権を取るのは至難の業で、私も取れるまで何年もかかりました。やっと永住権が取れた時は天にも昇る心地でしたが、人生そんなに甘くないですね。外国で生活するのは心細いこともたくさんありました。


ビザはあってもアメリカで働いた経験もなく、特殊技能があったわけでもありません。しかしこれも流れにまかせていたら、大手日系企業のアメリカ本社で雇ってもらうことが出来ました。


日本の短大卒業の学位しかなく、資格も経験もない私にアメリカで働く機会を与えてくれたこの会社には感謝してもしきれません。でもこの会社が私に与えてくれたものは、これだけではなかったのです。


会社が "あしながおじさん”だった!


この会社は社員に対する福利厚生もとても充実したものでした。その中には大学学費補助というのがありました。


初めてその制度を聞いた時は、働きながら大学に行くほど勉強熱心でもないし、ほとんど気にも留めていませんでした。




しかしある時同僚のアメリカ人が夕方急いで帰る様子なので、聞いてみると6時からの大学のクラスに行くというのです。そして「あなたもアメリカで働くなら、最低学士号くらいとりなさい。会社が学費も教科書代も払ってくれるんだから」と諭されました。


しかも同僚の行っていたカリフォルニア州立大学は、会社から車で5分の好立地。そこで勉強嫌いだった私も心理学の勉強をしてみることにしました。


すると日本ではあまり勉強が好きでなかったのに、大学に行くのがとても楽しみになったのです。本当に人生何があるかわかりませんね。



カリフォルニア州サイコロジー免許

この会社の補助が無かったら、その後大学院に行くこともなかったでしょうし、博士号や州のサイコロジー免許を取ることもなかったでしょう。








当時 ”Sound.Vision.Soul" というカンパニーメッセージを掲げていたこの会社が、人生を大きく変えるきっかけをくれた、私の"あしながおじさん"だったのです。本当にありがとう!



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