町一番の占い師に見てもらうと

ある時町一番の占い師に見てもらう機会がありました。
その日は当時勤めていたサンディエゴ、シャープ病院の職員のための癒しの日。
時々アメリカってつくづく変わってると思いましたが、このイベントもそうでした。
病院が職員のために代替治療の有名どころを呼んで、医師や看護師、事務方や私たちインターンまでそのサービスを受けさせようというわけです。
料金はすべて病院もち。
いつも王道の医療を提供している病院が粋な計らいだと思いました。
その中には針治療や指圧、オイルマッサージや気功、そしてなんとサンディエゴで一番と言われている占い師までいました。
将来を占ってもらうと

その占い師は映画オズの魔法使いに出てくる良い魔女にそっくりなとても美しい白人女性でした。
聞くところによると普通に見てもらうと一回日本円で4-5万円するのだそうです。
その人の前は長蛇の列で、いつもムスッとしているお医者さんや、インターンに厳しい看護師さんも並んでいました。
みんなお悩みがあるのですね。
一時間近くも並んで、やっと私の番がきました。
しかしどう見てもその時町一番の占い師さんはお疲れのようでした。
水を飲んだり汗を拭いたり。
あまり気分が良くなさそうです。
そしていよいよ占い師さんからのお告げの時がきました。
占い師 あなたの後ろには真っ白な衣装のアジア人のおじいさんがついています。霧に包まれたその姿、その存在が私があなたの将来を見ようとするのを阻んでいます……
私 白い衣装のおじいさん、誰ですか一体?
占い師 わかりません。でもおじいさんの周りの霧の向こうに見えるのは、あなたが主にDV(家庭内暴力)被害者やお年寄りにカウンセリングをしている姿です。
私 DV被害者やお年寄りですか……
町一番の占い師さんのお言葉は、これで終わりでした。
その後免許を取って心理カウンセラーとして働くことになりましたが、特にDV被害者やお年寄りだけを対象にカウンセリングを提供したことはありません。
真っ白な衣装のおじいさんはいったい誰だったのか?
フト思ったのは、その時取っていたクラスの内容がDV被害者向けのカウンセリング、もう一つが老人対象のカウンセリングでした。
占い師さんは私の中にクラスの内容を感じ取ったのでしょうか。
その日占い師さんは何十人も見続けて、大分お疲れで能力に陰りが出ていたとしたら、とても残念です。
Comments