• 王丸典子

犬が怖い本当の理由

最終更新: 5月6日



30代の男性は少年のころから、犬に対する #恐怖心 がありました。犬から嚙まれたり追いかけられたりしたことはないそうですが、道で犬とすれ違うだけでも緊張のバロメーターはマックスに達します。大型犬は特に苦手だそうです。


ところが5歳になる息子が最近犬を飼いたいとしきりに言うようになりました。妻も犬好きで子供が生まれる前から本当は飼いたかったのですが、男性が怖がっているので遠慮していたようです。最近男性は子供が飼いたがっているのだから、自分の恐怖心を何とかしないといけないなぁと考えるようになりました。


心理学者の #ジョン・ワトソン が1919年に行ったリトル・アルバート研究以来、人が動物を怖がるようになるのは、幼少期の経験がもとになっていると考えられています。


男性に子供の頃の動物との経験を聞いてみました。しかし鮮明に残っている犬との経験は特に無いと言います。そこで男性の兄弟に何か思い出さないか聞いてもらうと、興味深いことが分かりました。


それはその男性の家族は皆動物好きで、男性が小さいころは常に犬を飼っていたのだそうです。そして子供の頃に犬と遊ぶ男性の写真を見せてくれました。犬が死ぬとまた新しい犬を飼い、犬は家族にとってなくてはならない存在でした。


このような環境で育った男性が、犬に対する恐怖心を持つようになったのは、いったいどのような原因だったのでしょうか。持ってきてくれた写真を見ながら、この頃犬に対してどのように感じていたか話してもらいました。


初めは思い出があまり蘇ってこないようでしたが、次第に犬と遊んでいたころはとても楽しかったことや、夜は犬と一緒に寝ていたことも思い出しました。そしてついに犬を敬遠するようになった原因かと思われることも思い出しました。


男性は遠くを見つめるような目をして「犬が死んだ時は本当に悲しかったんです。多分3匹位の犬を次々飼ったのですが、3匹とも皆最後は死んでしまいました。」


また特に大きな犬が怖いというのもこれが原因かなと思える経験をしていました。ある時家の近くの河原で遊び疲れて昼寝していると、何かが自分の顔を触ったような気がして目を開けました。


すると目の前に畳半畳程(男性談)の牛の顔があり、自分の顔を大きな舌でまさに今舐めようとしていました。男性は飛び起きて、命からがら家に逃げ帰りました。


犬、特に大型犬に対する恐怖心は、どうやらこのように植え付けられたようです。これはワトソン研究のリトル・アルバートが全く動物を怖がらなかったのに、次第に様々な動物や毛皮の襟巻に対しても恐怖するようになった過程と似ています。


特定の物に対する恐怖心の克服で一番効果的なのは、リラックスしながら段階的にその対象物に慣れていくというものです。男性は自分の恐怖心がどのように生まれたかを理解した上で、息子と一緒に子犬を飼ってみようという気になりました。


「犬は悲しい思い出だけではなく、楽しい思い出もたくさん残してくれたということを考えて決意しました」というのが、男性が出した結論でした。




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