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​小さなミラクル通信

守秘義務尊重のため内容は著者の経験に基づいた創作です

執筆者の写真王丸典子

普通女子がトップセールスレディになれた秘密


花さんは小さい頃から勉強が苦手でした。何か特技があるわけでもなく、外見も平凡で目立たちません。


特徴と言えば少し小太りの体形と、笑うととても愛嬌のある目元です。

そんな花さんが三流高校の三年になった時、お母さんから繰り返し言われたことがありました。

「花ちゃん、あなたの一番の武器はその笑顔よ。就職面接の時は、それを忘れないで。面接官はあなたの笑顔を見ると、責任感のある、感じの良い子だなと思うのよ。


笑顔で感じが良ければ、お客さんだって何かを任せようとか、この人から是非買おうって気になるからね。」

そんな母の言葉に送り出されて、花さんは近くの自動車販売会社の事務員として採用されました。

その後は持ち前の素直さと笑顔で仕事をするうちに販売部門に配属となり、数年後には営業トップのやり手セールスレディに成長したというから驚きです。


花さんのお母さんは、あまりできの良くない我が子を励ましたい一心で「笑顔でいれば、責任感のある、感じの良い子という印象を与えられる」と言ったのでしょう。


ところが最近のアメリカ、ペン州立大学の笑顔研究によると、母の言葉がはったりでないことが証明されました。


笑顔でいると人から好かれたり、礼儀正しい、また有能だといった印象を持たれるというのが研究者の出した結論なのである。


花さん成功のポイント 

総合的に考えると、花さんがやり手セールスレディになった理由は次のようなこと思われます。

  • 笑顔キープで親しみやすい印象を顧客に与え続ける

  • 顧客は花さんを有能、責任感がある、信用できると思うようになる

  • 顧客は花さんの笑顔を見るたびに、無意識にごほうびをもらったように感じる

  • ごほうびをもらったと感じた顧客は、お返しとして「どうせ買うなら是非花さんから」と思うようになる。


「お返しに」というところが、実に日本特有の文化に深く根差した行動パターンです。私が長年暮らしたアメリカにはお返し文化はありません。


クリスマスや誕生日などは、プレゼントを交換したりしますが、出産祝いのお返しや、快気祝いを送るというのは聞いたことがありません。


せいぜい生まれた子供の写真や、お見舞いの礼をカードに書いて送るくらいです。


このように考えると花さんの成功の秘密は、笑顔の魔力と、日本文化の絶妙な融合によって生まれたと言えるのではないでしょうか。

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