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​小さなミラクル通信

守秘義務尊重のため内容は著者の経験に基づいた創作です

  • 執筆者の写真王丸典子

悪癖責めても変わらない


心理カウンセリングの中でとても多いのは、人間関係のお悩みです。


その相談内容は、夫婦、親子、兄弟、友人や仕事での人間関係など様々です。


そしてそのような時多くの人が解決法として考えるのが、相手を何とか変えたい、あるいは相手が変わってくれたらということです。


F子さんの願い

「昔からそうですが、母が父に関して愚痴を言うのをやめさせたいんです。私が結婚して家を出てから、母の愚痴は拍車がかかってもう最近は聞いているのも不快です。」

初回の面談でF子さんは眉間にしわを寄せて訴えています。


「お母さんは随分お父さんへの不満をF子さんに言うようですね。昔からその傾向はあったようですが、最近は聞いているのが不快なほどなんですね」と、私が確認すると

「そうなんです。私にとっては優しい父ですし、夫婦の問題は自分たちで解決してほしんです」と、全くお手上げという表情でF子さんはため息をついています。


M男さんの訴え

「妻は結婚前から腹を立てると言葉使いが荒くなって。男の僕でも言わないようなことを言うんです」と、M男さんは困惑の表情です。


「奥様は怒った時に言葉使いが荒くなって、男性のあなたでも使わないような表現をするんですね。どのような言い方ですか」と私が聞くと、


「例えば大きな声で『お前がしっかりしないから、私が子育てしながらずっと働き続けなきゃいけないんだよ!全部テメェが腰抜けだからだよ‼』などと、叫ぶんです。


多分近所にも聞こえていると思います。子供への影響もありますし、妻を何とかもう少し穏やかな性格にしたいんですが、何とかなりませんか」こう言いながら、M男さんの顔はますます曇ります。


相手を変えるのは無理

F子さんにしてもM男さんにしても、訴えの内容は十分理解できますし、悩みの深さもいかばかりかとお察しします。


しかしこのように相手を変えるにはどうしたら良いですか という相談の場合、はっきりお伝えしなくてはいけないことがあります。


それは、

いくら私達が頭を突き合わせて二人で相談しても、ここにいない人をすぐに変えるのは無理だということです。


自分自身の悪癖を変えるにも、相当な意思と地道な努力が必要です。


ましてちっとも悪いと思っていないF子さんのお母さんやM男さんの奥さんが、自主的に変わることは現時点でほぼ100%ないでしょう。


人は本人が悪癖を認識して変えたいと思い、変える方法を継続して行うと、次第に変わることができます。


そうでない場合は、周りがワイワイ言えば言うほど意固地になって、今の悪癖がエスカレートする可能性が高いのです。


相談者のアプローチを変えると関係が改善する

人間関係の相談においては、相手を変えようとしても無理だということを、まず理解していただきます。その上で他に何ができるか一緒に考えます。


F子さんの場合は、お母さんとF子さんの関係そのものが良好になると、お母さんが愚痴を言う回数が減る可能性が高いです。ですから、F子さんとお母さんの関係が今より良くなる方法を模索します。


M男さんの場合も同様です。例えば奥さんの言葉使いを責めるパターンを止めて、奥さんへの感謝の言葉をM男さんなりの言葉で伝えると、関係が大きく変わる可能性があります。


もちろん奥さんがひどい言葉を吐いている時に感謝するのではありません。普段の生活の中でサラッと、感謝の言葉を言ってみます。


関係改善のために知っておくこと

ここで間違いやすいのが、男のような言葉使いの妻に感謝できることなんかない、と考えることです。


どのような場合でも感謝できることの1つか2つは見つかります。それを日ごろから自然に伝える努力をしてみます。


こう説明すると人によっては、相手が悪いのになぜ自分が努力しなくてはいけないかと言います。


しかしよく考えてみて下さい。関係や状況を変えたいのは相談者(F子さん・M男さん)で、お母さんや奥さんは現状をなんとも思っていないのです。


現状を変えたいと思っている人が、まず行動を起こさなくてはなりません。


私は感謝の言葉は人間関係向上のカンフル剤とよく言うのですが、思いがけない効果がありますよ。是非試してみてくださいね。

★自分が変わると相手も変わる。感謝の言葉は関係向上のカンフル剤

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