• 渡部典子

カウンセリングに来る人はみな葛藤しています



日本語はつくづく素晴らしいと思うのですが、語源が自然に由来しているこがしばしばありますね。「葛藤」という言葉もその中の一つです。由来・語源辞典によると葛藤とは「物事がもつれて解決がつかず、双方が対立していること。いざこざ。もめごと。また、心の中に相反する動機・欲求・感情などが存在し、そのいずれをとるか迷うこともいう」とあります。


「葛」は植物のカズラのことで、蔓草(つるくさ)類を総称していうそうで、「藤」はマメ科の蔓(つる)性のフジのことだとうです。そしてカズラやフジの蔓が絡みあっていることの意から、もつれ合って解けないことのたとえに用いられるようになったようです。


心理カウンセリングを受けようと思う人は皆葛藤しています。言うなれば心の中でつる草がぼうぼうにのびて、固く絡み合っている状態です。そして心理カウンセリングでは、不要な枝の剪定や伐採をして、植物が本来の良い状態で美しい花を咲かせるように心を整える作業を行います。



15歳の少女の #心理カウンセリング をした時のことです。この少女の家族は数年前に末っ子の弟を事故で亡くすという辛い経験がありました。


それ以来両親をはじめ家族全体も以前とは変わってしましました。明るくて物事にあまりこだわらなかったお母さんは、弟の死以来人が変わったように神経質になり、お父さんと喧嘩が絶えなくなりました。


少女はそのような環境の中、とても自信のない子になっていました。弟はその少女と二人で留守番している時に、一人で表へ出て車に引かれたのです。少女の自分を責める気持ちはとても深いものでした。事故直後に動転したお母さんが少女を責めたことも、心に大きな傷となって残っています。


その家族は何年も弟のことも事故のことも、口にしたことがありません。少女と話をしていると、心の中のつる草はとても固くこんがらがり、また家族全体がつる草の群生する鬱蒼とした山のような印象でした。


この少女の心が軽くなるためには、家族全体のつる草の剪定と伐採が必要です。結局お父さん、お母さん二歳下の妹すべてと面談して、状況把握やカウンセリングプランを立てました。


神学者の円 純庵さんは、「葛藤。葛も藤も、すべて根は一つ」と述べています。こんがらがってしまった心も、一度根に立ち返って見直してみると、問題解決の糸口が見えてくることでしょう。




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