「国民総幸福感」GNHを上げる
国民総幸福感(GNH-Gross National Happiness)という言葉を時々耳にします。
毎年発表される「世界幸福度ランキング2019」によると、GNHが最も高い国はフィンランドやノルウェーなどの北欧諸国です。
また先進5か国の順位はイギリス15位、ドイツ17位、アメリカ19位、フランス24位、そして日本は残念ながら156か国中の58位です。
アジア圏では、台湾が一番高くて25位、次いでシンガポールが34位、そして韓国が54位となっています。
GNHは文化的影響を受ける
西欧諸国に比べてアジア諸国の順位が低いのは、自分の気持ちを表に出さない習慣が影響しているようです。
アジアの中でもとても豊かな国日本で、なぜ人々の持つ幸福感がこのように低いのでしょう。
それは日本文化で美徳とされる「謙遜」と「卑下」を混同している人が多く、自己肯定感が低いことが一因と思われます。
また「気を遣う」ということが尊ばれる社会ですから、「自分の本当の気持ちを無視して周りを気遣う」ことが習慣化している人も多いでしょう。
行き過ぎた卑下や自分の気持ちを無視し続けることは、満足感や幸福感を低下させます。
これを習慣化するとGNHは間違いなく上昇
あることを「歯磨き」のように毎日の習慣にしたら、日本人のGNHは間違いなく上昇します。
それは寝る前にその日一日を振り返り「幸せ」あるいは「ありがたい」と思えたことを書き留める習慣です。
たったこれだけですから、信じられないと思う方も多いかもしれません。
しかし生活の中にある「幸せ要素」を認識することで、ポジティブな変化が起きることが、最近の科学研究で明らかになりました。
科学が証明した「幸せ要素」を認識するパワー
生活の中の「幸せ要素」に気づくと、
気持ちが安定し人間関係が向上
脳内の視床下部(Hypotharamus) が刺激されてストレス消化
脳内の「ご褒美」をもらった時に反応する腹側被蓋野(Ventral Tegmental )を刺激し、喜びの感情が高まる
また笑い研究によると、本当に可笑しくて笑う場合と作り笑いを比べたところ、作り笑いでも「可笑しい」時と同じ反応が脳内で起こることも分かってきました。
これらの研究結果を受けて、状況にかかわらず「幸福感は向上できる」という意識が、最近アメリカでは一般化しています。
「歯磨き習慣」のように行う「幸せ習慣」
国民総幸福感を上昇するための「幸せ習慣」は、とても簡単です。
お勧めは寝る前にスマホのメモを使って、その日幸せと感じたことを書き留めるだけです。
たとえその時に気持ちがついてこなくても全く構いません。
どんなに落ち込んでいても、1つくらいは何か見つかるはずです。
下記に例をご紹介します。
ランチのカツ丼が美味しかった
子供の寝顔が天使のよう
寝坊したけど電車に間に合った
久しぶりに晴れて傘いらず
内容はどうであれ仕事がある
こんな簡単なことで、気持ちの維持や改善が図れるのです。
ブログ記事「女子トイレのおきて」にも書きましたが、日本人はとても学習能力が高い民族です。
家庭や学校で歯磨き習慣のように「幸せ習慣」を推奨したら、しばらくすると日本のGNHは他の先進諸国と同じくらい上昇するはずです。
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